Excelを使ったガントチャートの作成手順

ガントチャートとは?

ガントチャートとは?
「ガントチャート (Gantt chart、Gantt-Diagram)」は、ヘンリー・L・ガント(米国のエンジニア)が、1903年に発表した論文を、体系的な管理手法に発展させたものと言われています。具体的には、プロジェクト管理やスケジュール作成、作業の進捗管理するときに、それらを視覚化して分かりやすくする為に作成する、帯状のチャート(グラフ)のことです。
タスクとは(小さな仕事単位)
プロジェクトにおける最小単位の作業のことです。ガントチャートでいうタスクとは、行単位で表される作業・工程などを指します。

Excelでガントチャートを作成するメリットと注意点

Excelはビジネスソフトで最も使われ、ほとんどの会社のPCにインストールされています。Excelは表計算だけでなく、資料作成やプレゼンテーションにも使われ、Excelが得意な人は文書作成にも使います。また、関数やVBAを使って自作のアプリケーションやシステムを作る人もいます。多くの人がExcelを使い慣れているため、ガントチャート作成にも適しています。
しかし、Excelでのガントチャート作成には注意が必要です。特に、条件付き書式を利用する際は、ファイルの破損に気を付けましょう。また、頻繁な更新を防ぐためには、できるだけ事前に入念な計画を立てることが重要です。
計算式の小さな誤りは気づきにくいものです。入力ミスに誰も気づかずにプロジェクトが進み、大きな進捗遅れが生じてしまうこともあります。遅れや漏れを防ぐためにも、管理者はガントチャートが正確に機能しているかを定期的にチェックすることが大切です。
Excelを使って誰でも簡単にガントチャートを作成する方法
いざExcelでガントチャートを作成しようと思っても、何から手を付ければよいのか分からない人も多いでしょう。複雑なVBA・マクロ・関数を多用すると、便利で美しいガントチャートを作成できますが、それを使うとExcelの上級者しか作成できなくなります。なので、本記事では、誰でも簡単に作成できる方法を紹介します。
では、Excelを使って誰でも簡単にガントチャートを作成するにはどうすればいいのでしょうか?
その答えは、テンプレートを使って作成することです。テンプレートとは、あらかじめ作成されたファイルのことです。テンプレートをコピーして利用することで、簡単にガントチャートを作成することができます。好みのテンプレートを見つけて、文字を入力するだけで、簡単にガントチャートを作成することができます。
今回は、弊社が用意したテンプレートを使って、ガントチャートの作り方を説明します。
サンプルイメージ

Excelテンプレートを使ったガントチャートの作成手順

1:テンプレートを用意する

弊社が用意したExcelのテンプレートファイルをダウンロードします。サンプルが入っているシートを参考にしながら、初期化されたシートで作成していきます。このテンプレートは、誰でも簡単にExcelでガントチャートを使用できるように作成したので、関数やVBAは使いません。
ワークシートのタブを右クリックし、「移動またはコピー」を選択します。「コピーを作成する」チェックボックスをオンにし、「挿入先」でコピーを配置する場所を選択します。「OK」を選択します。コピーしたシートでガントチャートを作成していきます。
「移動またはコピー」イメージ
「コピーを作成する」イメージ
コピー完了イメージ

2:プロジェクト期間の設定

テンプレートは2024年の1年分の日付で作成されています。休日は日付のセルに色がつけられています。プロジェクトに必要な期間だけのシートにします。例えば、4月からのプロジェクトであれば、1月1日から3月31日までの列を選択して削除します。
日付削除イメージ

3:タスクと担当者の登録

「名称」列にタスク名を登録し、「担当者」には担当者を登録します。
タスクと担当者登録イメージ

4:各タスクの開始日と終了日の登録

各タスクについて、「開始日」と「終了日」を登録します。
開始日と終了日イメージ

5:階層構造の登録

階層構造があるタスクの場合、タスクを親子関係として登録します。サンプルシートのように、タスク名にインデントを設けて子タスクを示し、子タスクであることが分かるようにします。
タスクの親子関係イメージ

6:開始日と終了日に基づいてガントチャートのバーを描く

サンプルのシートから色付きのセルをコピーし、開始日と終了日の該当範囲に貼り付けます。この方法はアナログですが、誰でも簡単にできます。また、色も計画と実績に分けて貼り付けます。色だけを貼り付けたい場合は、書式だけを貼り付けます。
書式とは、文字の色、背景色、文字サイズなどのセルの見た目に関する情報です。セルとは、書式以外にも入力された内容、数式、表示形式など様々な項目を含む箱のことです。項目ごとにコピーが可能なため、色だけを貼り付けたい場合は、見た目に関する書式のみをコピーします。書式を貼り付ける場所を選択し、右クリックで書式の貼り付けを選びます。
書式の貼り付けイメージ
バーを描イメージ

7:階層構造をバーで表す

階層構造をバーで表す場合、親タスクには通常のタスクとは異なる矢印付きのバーを使用します。これもコピー&ペーストで該当範囲に貼り付けます。「サンプル」を参考にしながら作ってみてください。
バーを描くイメージ

8:進捗・実績を表現する

「進捗」列に進捗・実績を%で登録します。その%に合わせてバーの色を変えて登録し、進捗状況をバーで表現します。
進捗・実績イメージ

関数やVBAを使ってガントチャートを作成する場合の問題点

ファイルの破損に注意。関数を多用していると、誤操作で関数を消してしまったり、式が参照しているセル位置がずれて表示がおかしくなることがあります。また、おかしくなったことに気づかないまま運用してしまうこともあります。これらはExcelの関数を使っているとよくある問題です。配布するメンバーには、ファイルの取り扱いに十分注意してもらう必要があります。

クラウドサービスを使えば、簡単にガントチャートが作成できる

「みんなでガント」は、ガントチャートを簡単に作成できるクラウドサービスの先駆けです。「みんなでガント」を使ってみるとExcelでガントチャートを作成する場合と比べると圧倒的に簡単に作成できます。また、作成時間を削減でき業務効率UPに繋がります。作成したガントチャートをExcelにも出力することができます。無料で試せるので、ぜひ一度お試しください。本記事で使っているテンプレートも「みんなでガント」から出力されたものを基に作成しています。